Z3988GX64Q 微粒子ブログ  fine particle blog | ページ 3 | ベテラン化学エンジニアの技術 と ボヤキ
ボヤキ

ある研究所長の話 私が分からない発表をしろ!

昔の話です。 社内の技術報告会で研究テーマの報告をしました。 研究所長のコメント 「分かりやすい発表だった。 でも、初めて話を聞く素人の私が聞いて、分かる研究ではダメだ。 聞いてもすぐには分からないくらいの、レベルの高い研究をしなさい。」 ...
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化学会社知財部門のボヤキ

開発部門は少ないデータで楽して特許を書こうとする。 特許権利の範囲を明確にして、強い特許にするためには、 広い範囲の実験データが必要です。 そうしないと請求項の範囲が定まらない。 何度言っても分かってくれない。。。。。。
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化学分析部門エンジニアのボヤキ 2

化学分析機器は購入費も高いし、維持費も高い。分析作業者の人件費も高い。 そのコスト分のメリットを会社に示すのが難しいです。 開発部門であれば、開発品の売上・利益が数字になります。 人事評価も分析部門は評価されにくい。できて当たり前という感じ...
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化学分析部門エンジニアのボヤキ

開発部門の技術者と分析部門の技術者は、上手くいかないことが多いようです。 極端な例を挙げると、 開発部門は、問題が起こると、分析部門に丸投げ。。。。。 分析機器が簡単に答えを出してくれると短絡的に考える人がけっこういるようです。 ドラえもん...
総論

機械と化学

分散では、 ①機械で粒子を物理的に小さく砕く  → 機械工学 ②粒子の表面に分散安定化するための添加剤(分散剤)を化学的につける → 化学 のように、機械と化学の両方の作用が必要です。 染料のように、分子に溶解して反応させるのであれば、化学だけでよいのですが。。。。 機械については、設備、操作条件を検討します。 化学については、分散剤、粒子表面処理などを検討します。 やるべきことが多いです。。。大変だー。。。
ビジネス

技術をビジネス(お金)にする職商人

企業から求められる技術者の研究の目的は、ビジネスの利益(お金)です。 ゼロをイチにする新規事業の場合、お金にするのは、とても難しいし、とても時間がかかります。 私の場合、ゼロから始めて、ある程度の売り上げになるのに、10年はかかりました。 技術の他に、原料、設備、利益、お客様の需要、など多くの課題をクリアしないといけません。 時期的なタイミングもあります。 技術者は、職人と商人の器量を兼ね備えた「職商人」(しょくあきんど)にならなければなりません。 職商人とは、モノづくりに打ち込む「職人」であると同時に、 そのモノをお客に自ら売る「商人」でもあります。 モノを作って売るという行為は、買って使ってくれる人がいなければ成立しません。 そろばん(電卓)片手に、ビーカー(実験)を持つイメージですね。 お客さんに自分から飛び込んでいって、腹を割って話す。お客さんと一緒に開発する。 新規事業をビジネスにするのは、先が読めず、霧の中を進むようなものです。 それぐらいして、はじめて売れるモノができると思います。
材料

有機顔料、無機顔料の違いとは?

顔料は、無機顔料と有機顔料に大きく分類されます。 無機顔料の多くは、金属の酸化物や炭酸化物です。   例 酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、紺青、群青、マイカ、タルク、カーボンブラック など 顔料表面に、水酸基やカルボキシル基などの極性基が多く存在し、 そのため、極性の分散媒に濡れやすいです。 また、この極性基は分散剤の吸着点になりやすいです。 一方、有機顔料は、ベンゼン環を骨格とする非極性分子が重なった結晶であり、 極性基をあまり含みません。 一部極性基はありますが、結晶化度を高める、相互作用基として働くことが多いです。 したがって、分散媒体に濡れにくく、また分散剤が吸着しにくいため、 分散安定化が悪いことが多いです。 これを補うために、顔料表面に様々な表面処理が行われています。
技術

分散と溶解の違いは?

ここで「分散」の定義を確認します。 似た言葉に「溶解」があります。 「溶解」は分子状態でばらばらにすること。 「分散」は,液体中に粒子状態でばらばらにすること。 ちなみに,色材では、 分子が「染料」,粒子が「顔料」です。 「染料」⇒「溶解」分子状態 「顔料」⇒「分散」粒子状態 という関係になります。 顔料の凝集状態は、 一次粒子(アグリゲート)、 二次粒子(アグロメレート)、 という言葉で表します。 結晶単位で凝集したものが一次粒子であり、 さらに大きく顔料合成途中の乾燥工程などで一次粒子が凝集したものが 二次粒子です。 一般の塗料や印刷インキ中の、顔料粒子の一次粒子サイズは、 数十nm~数µm程度です。 分散は,二次粒子の凝集を解砕することであり, 理想的には一次粒子1個1個まで孤立した状態にすることです。
技術

分散は手段 目的に合わせて使いこなす!

それぞれの製品(インクなど)の目的とする品質(品質目標といいます)を達成するために、 分散をするわけです。 インクであれば、色調であったり、濃度であったり、隠蔽性であったり。。。。。 隠ぺい性よりも透明にしたい場合もあります。 分散技術を使って粒子の大きさを小さくするのですが、 粒子径を小さくすることばかりに気を取られていると、 (特に分散の初心者は)本来の目的とする品質を忘れてしまいがいちです。 例えば、隠蔽性(下地を隠す効果)が必要な場合と透明性が必要な場合では、 目的とする粒子径が違うでしょう。 隠ぺい性を出すには、ある程度の粒子サイズが必要です。(小さすぎると透明になってNG) また、分散させるために添加する分散剤も、目的とする品質の邪魔をしないようなものを選んで、 添加量を決めていかなければいけないのです。 品質を評価して、分散を最適化することが必要なわけです。 これが「分散を使いこなす」ということ。 ということは品質を評価する実験技術も必要。。。 「品質評価できてはじめて分散技術が蓄積できる」 と言ってもいいと思います。