Z3988GX64Q 微粒子ブログ  fine particle blog | ベテラン化学エンジニアの技術 と ボヤキ
総論

自己紹介/self-introduction

私は化学系企業の研究者です。 30年微粒子の化学材料の研究開発に取り組んできました。 このブログで、微粒子技術、ビジネス、日本の研究文化、私の意見 などを書いていきます。 楽しんでくださいね。 Hi,there! I am an exper...
総論

What are fine particles?

Fine particles, as the saying goes, are very small particles. The size of the fine particles that we will mainly cover in this blog is the range in size from a few nanometers to hundreds of nanometers. (1 nanometer is 1 millionth of 1mm) This is a trendy, virus-sized image. General virus is about 10 ~ 300 nanometers in size. The new coronavirus is about 100 nanometers. In fact, around you,there are so many things that use fine particles. For instance ・Paint ・Inks (also inkjet) ・Colorants for plastics ・Writing instruments ・Electronic materials (TVs and smartphones) ・Cosmetics ・Batteries (lithium-ion batteries, fuel cells, solar cells) ・Medicine And so on. Technologies related to fine particles "Nanotechnology" It is called. This was also covered by the media. I think it's a familiar word. The technology for producing fine particles "Distributed Technology" It is also called. Dispersion, roughly speaking, is: "Breaking particles into small pieces" means. This is a very important science and technology. In the world, it is a sober field that is not well known. I will now write about fine particles and dispersion technology.
総論

微粒子とは?

微粒子とは、言葉の通り、とても小さな粒子です。 このブログで主に取り上げる微粒子の大きさは、 数ナノメートルから数百ナノメートルの大きさです。 (1ナノメートルは1mmの百万分の1) これは、今流行りの、ウイルスと同じ大きさのイメージです。 一般のウイルスで、約10~300ナノメートルぐらいの大きさ、 新型コロナウイルスは、約100ナノメートルです。 実は、皆さんの周りに、 微粒子を使っているものは、とてもたくさんあります。 例えば、 ・塗料 ・インキ(インクジェットも) ・プラスチック用着色剤 ・筆記具 ・電子材料(テレビやスマホも) ・化粧品 ・電池(リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池も) ・薬 などなど。。。。。 微粒子に関わる技術は 「ナノテクノロジー」 と呼ばれています。 こちらは、マスコミでも取り上げられたので、 馴染みがある言葉と思います。 微粒子をつくる技術は、 「分散技術」 とも呼ばれています。 分散とは、大雑把に言うと、 「粒子を小さな大きさにバラバラにする」 という意味です。 この技術は、とても重要な科学技術なのですが、 世の中的には、あまり知られていない、地味~な分野です。
ビジネス

技術をビジネス(お金)にする職商人

企業から求められる技術者の研究の目的は、ビジネスの利益(お金)です。 ゼロをイチにする新規事業の場合、お金にするのは、とても難しいし、とても時間がかかります。 私の場合、ゼロから始めて、ある程度の売り上げになるのに、10年はかかりました。 技術の他に、原料、設備、利益、お客様の需要、など多くの課題をクリアしないといけません。 時期的なタイミングもあります。 技術者は、職人と商人の器量を兼ね備えた「職商人」(しょくあきんど)にならなければなりません。 職商人とは、モノづくりに打ち込む「職人」であると同時に、 そのモノをお客に自ら売る「商人」でもあります。 モノを作って売るという行為は、買って使ってくれる人がいなければ成立しません。 そろばん(電卓)片手に、ビーカー(実験)を持つイメージですね。 お客さんに自分から飛び込んでいって、腹を割って話す。お客さんと一緒に開発する。 新規事業をビジネスにするのは、先が読めず、霧の中を進むようなものです。 それぐらいして、はじめて売れるモノができると思います。
技術

探索研究はやさしさ、応用研究は厳しさ

企業の研究には、ゼロから実際の製品を作り出すまでに、 各段階の研究があります。 最初の段階が探索研究です。 技術のタネを探す作業で、面白いもの、役立ちそうな技術を探し出して、育てていくプロセスです。 ほとんどが失敗で、その中から、面白いもの...
分析

粒子径について

小さく分散した粒子の大きさを粒子径で表します。  測定方法は、  ①光の散乱、回折を使って光学的に測定する方法  ②電子顕微鏡で粒子を観察する方法 などがあります。 粒子を小さいものから大きいものに並べて、全体の50%番目の粒子径をD50と...
技術

磁気テープの技術がリチウム電池へ

実は、磁気テープと、リチウム電池の電極は作り方が似ています。 磁気テープは磁気材料の粉、 リチウム電池は電極材料(リチウムを出す材料と貯める材料)の粉 を樹脂や溶媒と混ぜてペーストにして、これをフイルムに塗工して作ります。 どちらも、 ①高...
分析

粒子径と比表面積

比表面積は、粒子の表面積を重量で割った値です。m2/gという単位になります。 粒子径が小さくなると、表面部分が増えるので、比表面積は大きくなります。 この表面積は、ガス(窒素など)や液体の吸着量を使って測定することができます。 粒子径を測定...
総論

ドライとウエット

電子材料の表面加工方法には、 ・ドライプロセス ・ウエットプロセス の2種類のプロセス(工程)があります。 ドライ”dry”とは、「気相中で」という意味です。 ドライプロセスとは、真空または若干のガス圧中で、分子または原子の大きさに分解され...
技術

顔料と染料の違いは?

よく混同しますが、染料は分子状態の色材で、顔料は粒子状態の色材です。 分子が集まった固体集合体が粒子です。 染料は水に溶けやすいので、簡単に溶解液ができます。 顔料は粒子なので水に溶けません。水に均一に微粒子分散して初めて、きれいな液になります。 それなら簡単な染料を使えばいいと思われるかもしれませんが、 染料は光が当たると退色しやすいという欠点があります。分子だからです。 顔料は粒子なので光に強く退色しにくいです。 ですので、粒子を分散する必要があるわけです。 分散しないと粒子の性能を生かすことができません。
総論

理系女子の化学エンジニア

大学入試が始まる季節になりました。 今年は、理学部、工学部、医学部などの理系学部で、女子学生の志願者が増加しています。 難関大学での女子学生の志願者も増えているそうです。 政府の教育未来創造会議では、理工系女子の増加策強化を提言しましたし、...
技術

What is the difference between dispersion and dissolution?

Now let's look at the definition of "dispersion". A similar word is "dissolution." "Dissolution" is to dissolve in a liquid into a molecular state. "Dispersion" is to break up in a liquid into a particle state. By the way, in colorants, Molecules are dyes and particles are pigments. "Dyes" ⇒ "dissolved" molecular states "Pigment" ⇒ "dispersed" particle state The particle size of pigment particles in general paints and printing inks is about several tens of nm ~ several μm. Dispersion is the crushing of the aggregation of secondary particles. Ideally, each primary particle should be isolated. It is very important and very difficult technology.