Z3988GX64Q 2023年1月 | ページ 2 | 微粒子ブログ  fine particle blog

2023-01

ビジネス

新規事業の研究は不安 でもチャレンジすべき

既存技術の開発と違って、新規事業の開発はゼロからのスタートです。 ゼロを1にするプロセスです。 先が読めず、失敗のリスクが高いので、みんな尻込みしてなかなか挑戦しません。 NHKのテレビ番組で、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本制作について...
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新規事業の関門 ダーウィンの海

新規事業を成功させるためには3つの関門があるといいます。 西部開拓時代のアメリカを想定した言葉と言われています。 ①悪魔の川   ミシシッピ川 ②死の谷    グランドキャニオンなどの一帯 ③ダーウィンの海    西海岸からの船出、がラバゴスでの漂流 これを新規事業に当てはめると ①基礎研究の段階   とにかく孤独、先が見えない ②製品化、事業化するための開発研究の段階   課題が噴出、課題解決にとにかく追われる ③世の中から必要とされ、お客様が買っていただく段階 となります。 ①②は自分や社内の努力次第ですが、この③は世の中次第/お客様次第なのです。 必要とされると予測して開発するのですが、 「製造コストに見合う価格/数量の需要があるか?」 というのは、本当に難しい課題です。 大げさに言うと、「時代のニーズに合っているか?」という問題なのです。 時代の先を行って、製品化が早すぎても売れないのです。 良いものであるだけではだめ、ということです。 会社の経営判断にも関わりますが、 「機が熟するまで待つ」 ということも必要になります。
総論

特許を書くことの勧め

企業技術者としての成果は ①売上/利益が大きい製品を開発する ②特許/論文を出す があります。 ①に必要な技術と②に必要な技術は、少し違います。 ①は、高品質な製品ができて、安定生産ができること ②は、特許の権利化の範囲(請求項といいます)を説明する理屈と実験データを示すこと ②の特許の範囲は広く取るために、①よりも広い範囲の実験とその説明理論が必要です。 ①は社内のことですが、②は社外に広く公開するものですので、曖昧さが許されません。 したがって、特許を書くための研究は、実験量が増え、厳密な考察が必要となります。 技術者としては、しぶしぶ実験するわけですが、この中で、新たな重要な発見も生まれます。 技術成果を集大成するという意味でも、企業技術者にとって、とても大切なプロセスです。 特許に名前が載ることは、公的文書として記録に残りますし、子供にも自慢できます。 技術者の方は、ぜひとも、特許を書くような研究をすることにチャレンジしてください。
総論

企業と大学の研究の違い 2

企業の研究は、市販材料を使って実験をして、お客様が必要とする新しい製品を創ります。 化学系の場合、市販材料は、材料メーカーが独自に開発したものであれば、 詳細な化学情報を開示してくれません。 また、お客様も、製品をどのように使っているかについて、詳細には開示してくれません。 同様に、自分からも他社に対して情報開示できません。 どちらもノウハウに関わることですので、社外に情報漏洩することを恐れるためです。 つまり、ブラックボックスだらけの環境下で研究しなければならないというわけです。 大学の研究は、既知の材料を使って実験をして、新しい発見をします。 ブラックボックスがないので、すべてを知った上で研究できます。 私が企業で、最も問題に感じたのが、このノウハウを守るためのブラックボックスの弊害です。 このブラックボックスだらけの中で研究開発するのは、分からないことが多く、非効率ですし、 研究レベルも上がりません。研究者としての充実感もイマイチです。 何かいい方法はないものか?
総論

感性で実験する

普通は、デスクや会議室で実験計画を立て、計画に基づいて実験します。 でも、どうしても従来からのワンパターンのやり方になってしまいがちです。 そこで、たまに、目的だけ決めて、計画なしで、実験しながらその場の感覚に任せて実験します。 その場その...
総論

微粒子とは?

微粒子とは、言葉の通り、とても小さな粒子です。 このブログで主に取り上げる微粒子の大きさは、 数ナノメートルから数百ナノメートルの大きさです。 (1ナノメートルは1mmの百万分の1) これは、今流行りの、ウイルスと同じ大きさのイメージです。 一般のウイルスで、約10~300ナノメートルぐらいの大きさ、 新型コロナウイルスは、約100ナノメートルです。 実は、皆さんの周りに、 微粒子を使っているものは、とてもたくさんあります。 例えば、 ・塗料 ・インキ(インクジェットも) ・プラスチック用着色剤 ・筆記具 ・電子材料(テレビやスマホも) ・化粧品 ・電池(リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池も) ・薬 などなど。。。。。 微粒子に関わる技術は 「ナノテクノロジー」 と呼ばれています。 こちらは、マスコミでも取り上げられたので、 馴染みがある言葉と思います。 微粒子をつくる技術は、 「分散技術」 とも呼ばれています。 分散とは、大雑把に言うと、 「粒子を小さな大きさにバラバラにする」 という意味です。 この技術は、とても重要な科学技術なのですが、 世の中的には、あまり知られていない、地味~な分野です。
総論

企業と大学の研究の違い「常に同じものを製造」

就職希望の理系の大学生の方から 「企業ではどのような研究のやり方をするのですか?」 「大学と企業の研究の違いは何ですか?」 という質問をよく受けます。 学生さんにとって、就職して知らない世界に飛び込むのは、 かなり不安なことと思います。 昔...
ボヤキ

ある研究所長の話 私が分からない発表をしろ!

昔の話です。 社内の技術報告会で研究テーマの報告をしました。 研究所長のコメント 「分かりやすい発表だった。 でも、初めて話を聞く素人の私が聞いて、分かる研究ではダメだ。 聞いてもすぐには分からないくらいの、レベルの高い研究をしなさい。」 ...
ボヤキ

化学会社知財部門のボヤキ

開発部門は少ないデータで楽して特許を書こうとする。 特許権利の範囲を明確にして、強い特許にするためには、 広い範囲の実験データが必要です。 そうしないと請求項の範囲が定まらない。 何度言っても分かってくれない。。。。。。
ボヤキ

化学分析部門エンジニアのボヤキ 2

化学分析機器は購入費も高いし、維持費も高い。分析作業者の人件費も高い。 そのコスト分のメリットを会社に示すのが難しいです。 開発部門であれば、開発品の売上・利益が数字になります。 人事評価も分析部門は評価されにくい。できて当たり前という感じ...